エスペラントの自然言語化
まずここで行うのはエスペラントから自然言語のような言語を新しく作るのではなく、
あくまでエスペラントの規則の中でエスペラントを自然言語らしく使える方法を考えてエスペラントが自然言語だったらどんな言語なのかを探る事が目的である。
なのでエスペラントの人工言語くささをあぶり出し、取っ払って人工言語感を無くしたい。
1.女を表す名詞は全て-inoで派生、意味が逆の形容詞は全てmal-で派生させるなど単語の構造が画一的過ぎる
2.基本語彙が少ない(多ければ良いというわけでもないが少ない)
3.スラブ語のような音声の影響を受けながら(口蓋化はないけど)スラブ語由来の単語が少ない
4.複数形が-ojだったり文法はギリシャ語っぽさがあるのに語彙の面では特段影響を受けている印象がない
5.ロマンス語っぽいのに[k]の音をKの文字で表している(他のロマンス語は普通Cで表す)
6.動詞や形容詞、副詞ならわかるが名詞まで終わりが必ず-oで終わるところ
7.語彙が屈折語のラテン語とゲルマン語中心なのに文法が膠着語的なところ
解決策
1〜4は語彙の問題。これはもうどうしようもないので他から借用するしか解決方法がない。
エスペラントでは「多くの言語に取り入れられた単語は借用してもいい」という規則がある。
これを拡大解釈する。多少強引だが多くの言語に採用された単語を選別して作られた人工言語の単語をそのまま取り入れることにする。
例えばロマンス語系はインターリングアという国際補助語で国際的な単語が厳選されているのでそこから借用する。
同様にゲルマン語は汎ゲルマン語という言語を参照、スラブ語系はインタースラーヴィクという人工言語を参照する。
そこで有名な単語かどうかを判断して取り入れる必要がある。
5.のロマンス語っぽいのに[k]の音をKの文字で表している点は大昔のラテン語の綴り(a,oの前ではkを使い、uの前でq、i,eの前でcを使う綴り方)が受け継がれているということにする。
uの前のqは簡略化される際にkに纏められ、cはi,eの前で[ts]の音に変化したため[ts]の音を表すようになった…とする。
6.動詞や形容詞、副詞ならわかるが名詞まで終わりが必ず-oで終わる点は、「-oが主格の格表示である」とする。
日本語の助詞「が」のように主格を表し、主格を表さない前置詞の後ろなどでは「-’」を使う。
7.の膠着語的である点については「エスペラントの基層言語の1つが膠着語だった」とする。
普通屈折語が時代を経ると簡略化されて孤立語のようになる。膠着語になる為にはその前で膠着語に近づいていなければならないのではないだろうか。
つまりもともと"その土地"には膠着語を話す民族がいて、ラテン語圏になった後もその言語からの影響で膠着語の性質が残った。そこから色々な言語との接触する中でさらに簡略化され膠着性が強まったと考える。
ギリシャ、ゲルマン、ラテン、スラブと接触の可能性がある民族はウラル系(それも古くからこの地にいたフィン・ウゴル系)だと思われる。
そこでフィン・ウゴル祖語から日常語(基層言語であるため)を取り入れる。
・取り入れ方
1.派生元がゲルマン語であれば汎ゲルマン語、ラテン語・ロマンス語であればインターリングアというように派生元の語派に合わせる。
2.日常語はインタースラーヴィクや汎ゲルマン語、高級語はインターリングアというように分ける。
3.上記に従ってスラブ語由来の単語を増やす。
つまり派生元がロマンス語である単語の日常語はインタースラーヴィクから借用する。
4.高級語はギリシャ語由来で他の言語に多く借用されている単語があればそれに置き換える。なければラテン語由来の単語を使う。
5.日常語はフィン・ウゴル祖語の内漁業、牧畜、天候、人体部位、親族名称を中心に採用する。