音声間距離を考慮したエスペラント諸語の系統分析
エスペラント諸語でこれやりたいなぁhttps://t.co/n5JPT1Z4is
— þoþufa(俺くん語) (@n_langvo) 2019年11月23日
と、こんな感じで自分の無力さを嘆いていたわけですが、
感謝します
— þoþufa(俺くん語) (@n_langvo) 2019年11月23日
そういえばvisual basicでレーベンシュタイン距離を求めるソースコードがあるのでWindowsの環境があればレーベンシュタイン距離は自動計算できると思います
— þoþufa(俺くん語) (@n_langvo) 2019年11月23日
これらのツールを使うことにより単純なレーベンシュタイン距離であれば(Windows上なら)EXCELで自動計算できることを発見したのでやってみました。
上のリンク先のVBAコードをマクロへ貼り付け、
=IF(OR($L2="-",M2="-"),"",
のような感じに入力して実行!
エクセルで実行したらこんな感じになった
— þoþufa(俺くん語) (@n_langvo) 2019年11月23日
スプレッドシートみたいに時間かからない(というか一瞬で計算される) pic.twitter.com/k2rd1HZSMF
さらに、、、
https://t.co/MUQWj3CvBb
— とひ (@gogogouy) 2019年11月24日
とりあえずwikipedia見ながら計算した https://t.co/xbZgg94N2t
なんと@gogogouy氏が音素間距離のデータを作ってくださったので、上の関数を変更して実装!
実装しました!!!
— þoþufa(俺くん語) (@n_langvo) 2019年11月24日
計算が間違ってなければこんな結果に…🤔🤔🤔 https://t.co/8BzShnRUrl pic.twitter.com/JGSx08jc2M
なのですが、
この時の関数は論文と齟齬があったので修正し・・・
今見てもらってるかもしれないけどヴォラピュクの3母音を追加したシートが新しく作られたhttps://t.co/MUQWj3CvBb
— とひ (@gogogouy) 2019年11月25日
音素間距離データが拡張され・・・・・
最終結果はこれ pic.twitter.com/OypWaAzRDZ
— þoþufa(俺くん語) (@n_langvo) 2020年3月15日
こうなりました。
ちなみに音素間距離解析のソースコードは↓の通り。
Public Function lsDist2_2(baseText As String, tryText As String, zurecost) As Double
Dim matrix() As Variant
Dim i As Integer, j As Integer, cost As Double, onso1 As Integer, onso2 As Integer
If (baseText = tryText) Then
Exit Function
End If
If (Len(baseText) = 0) Then
lsDist2_2 = Len(tryText)
Exit Function
End If
If (Len(tryText) = 0) Then
lsDist2_2 = Len(baseText)
Exit Function
End If
ReDim matrix(Len(baseText), Len(tryText))
For i = 1 To Len(baseText)
For j = 1 To Len(tryText)
onso1 = WorksheetFunction.Match(Mid$(baseText, i, 1), Worksheets("onsokan.data_2").Range("B71:AG71"), 0)
onso2 = WorksheetFunction.Match(Mid$(tryText, j, 1), Worksheets("onsokan.data_2").Range("A72:A103"), 0)
cost = WorksheetFunction.Index(Worksheets("onsokan.data_2").Range("B72:AG103"), onso1, onso2)
If (i = 1) Then
If (j = 1) Then
matrix(i, j) = cost
Else
matrix(i, j) = matrix(i, j - 1) + cost + zurecost
End If
Else
If (j = 1) Then
matrix(i, j) = matrix(i - 1, j) + cost + zurecost
Else
matrix(i, j) = WorksheetFunction.Min(matrix(i - 1, j) + cost + zurecost, matrix(i, j - 1) + cost + zurecost, matrix(i - 1, j - 1) + cost)
End If
End If
Next j
Next i
lsDist2_2 = matrix(Len(baseText), Len(tryText))
End Function
Public Function lsDist(baseText As String, tryText As String) As Integer
Dim matrix() As Variant
Dim i As Integer, j As Integer, cost As Integer
lsDist = 0
If (baseText = tryText) Then
Exit Function
End If
If (Len(baseText) = 0) Then
lsDist = Len(tryText)
Exit Function
End If
If (Len(tryText) = 0) Then
lsDist = Len(baseText)
Exit Function
End If
ReDim matrix(Len(baseText), Len(tryText))
For i = 0 To Len(baseText)
matrix(i, 0) = i
Next i
For j = 0 To Len(tryText)
matrix(0, j) = j
Next j
For i = 1 To Len(baseText)
For j = 1 To Len(tryText)
cost = IIf(Mid$(baseText, i, 1) = Mid$(tryText, j, 1), 0, 1)
matrix(i, j) = WorksheetFunction.Min(matrix(i - 1, j) + 1, matrix(i, j - 1) + 1, matrix(i - 1, j - 1) + cost)
Next j
Next i
lsDist = matrix(Len(baseText), Len(tryText))
End Function
「onsokan.data」というのは音素間距離のデータが入ったシート
そこから音素を探し出して音素間距離の数値を拾っています。
「zurecost」というのは(ネーミングがクソ適当すぎますが)、音素の挿入/削除コストです(論文参照)
エクセルのシートで
IF(OR($C3="-",D3="-"),"",
のような感じで入力して実行しています。
「S3」のセルには音素の挿入/削除コストとして"0.1"を入力しています(論文に合わせた)
論文の方でも「意義がある」という判断だったので、それなりに妥当性があるのではないかと思っています。
計算結果の詳細はこちら↓
https://docs.google.com/
※計算結果の表は一番右端にあります。
では!
北ロマンス語考察
北ロマンス語について、現状想定している内容を思いつく限り書いていきたいと思う。
・北ロマンス語構想とは
北ロマンス語構想とは「エスペラントやエスペラント諸語が現実にもし存在したら、どのような系統・歴史を持っているのか」を考えるものである。
エスペラントは国際補助語として、互いに違った母語を持つ人々が、簡単な文法と語彙を学ぶことにより容易に意思疎通をできるように創られたものである。
人工言語としては世界最大規模のプロジェクトであり、一説には世界中に百万人を超える話者がいるとも言われ、この点で最も成功した人工言語とも称される。
しかし、一方でエスペラントに対する評価の中には批判意見も多く存在する。
その中で私がよく見かけたのは、「エスペラントは大部分の文法・語彙をヨーロッパの印欧語(特にロマンス語)から採用していて中立的ではない」「合成語で表すことのできる語彙が単純語として登録されている」という類のものである。
これは裏を返すと、ロマンス語的な自然言語の特徴を持っている(残している)ということであり、エスペラントをロマンス語系の架空言語として構想することが可能ではないかと私は考えた。
・エスペラントの原郷地
実在のエスペラントは、ポーランドの眼科医ザメンホフによって創られた。
そのためか、文法・発音にスラブ語の影響があるとも言われる。
また、語彙にはゲルマン語(主に英語・ドイツ語)の影響が多く見られる。
ここから、架空言語エスペラントの原郷地はゲルマン系とスラブ系が接触する中欧付近を想定するのが良いのではないかと考える。
・複合語の多用
エスペラントでは複合語を多用する。これは語根をできる限り減らすことで学習効率を上げるためのものであるが、自然言語としては少しばかり不自然に感じた。
特に、malbonaやpatrinoといった基礎語までが全て複合語になっていることについては何らかの理由付けが必要だろうと考えた。
しかし、malbonaといった単語が常に使われるかというとそういうわけでもない。
エスペラントには詩的な用途に用いられる単語があり、malbonaという複合語はmavaという単純語に言い換えることができる。
しかし、これはあくまで詩的な文章にのみ使える表現であり、正式にはmalbonaが正しいとされる。
ここから、架空言語エスペラントの世界では「正式な場面ではできるだけ複合語を用いる文化がある」と構想した。
このような文化が存在することで、複合語に言い換えられる単語は次々に廃れていったものと考えている。
・品詞と語尾の一致
次に不自然さを感じたのは品詞と語尾の完全な一致についてである。
エスペラントでは名詞は-o、形容詞は-a、副詞は-e、動詞は-iなど品詞と語尾が一致するように作られている。
動詞については日本語がそうであるように、語尾が単一であっても不思議ではないと、またエスペラントの副詞の語尾は不規則なものも存在することから自然言語的だと捉えることができるのではないかと考えたが、名詞と形容詞については不自然さを拭えず何らかの理由づけが必要であるとの結論に至った。
ここで、エスペラントでの固有名詞の扱いについて考える。
エスペラントには、格変化があり、エスペラント化された固有名詞であれば普通名詞と同じように曲用される。
しかし、そうでない単語(特に人名)についてはそのままの語根を主格として使い、対格もそのままか-onという語尾を後ろに付けて表すことが多いようである。
この時、名詞の語尾は-oとは限らず、一つの例外と言える。
また、エスペラントでは詩的な表現として名詞の-oを-’に変えることができ、これは語尾の消失と見ることができる。
この二つの例から、「架空世界での日常語的な場面では名詞の語尾は消失して-’となっており、-oはより堅い(丁寧な)主格を表す接尾辞であり、日常的に使われる機会が少なかったために単純化した」と想定している。
その次に、形容詞の語尾の単一性について考察する。
ここで、エスペラントの代名詞の所有形を参照する。
エスペラントでは「私の」はmia、「あなたの」はviaである。これは代名詞の語幹に形容詞語尾-aをつけたものである。
ここから、私は「より古い時代にはこれが普通名詞にも適用されていた」と想定する。
エスペラントには属格の語尾が存在しないが、古くは-aが属格の代わりとなる所有形容詞の語尾であり、時代を下るにつれて「所有」の意味が消えていったという想定である。
その過程で、もともと形容詞だった単語も名詞に吸収されていき、形容詞は名詞の変化形として存在するようになったと考える。
ちなみに、この観点から文法を見ると、エスペラントには品詞としての形容詞が存在しないことになる。
・表記法
さらにエスペラントは他のロマンス語と比べて、下記のような表記法に特徴があると感じた。
①/k/を表す"k"、/ts/を表す"c"
②"q"を使わない点
③"ŭ"
④代用表記のH後置方式
⑤代用表記のX後置方式
⑥/ks/を表す"x"を使わない点
⑦サーカムフレックス
①については、古いラテン語の表記法を継承しているものと考える。
古いラテン語では母音Aの前で"K"、IとEの前で"C"、O,V(/u/)の前で"Q"が使われたようである。
このような表記法が北ロマンス語には保存され、時代が下ってi,eの前の/k/が口蓋化を起こした時に、"c"が/k/の口蓋化した/tʃ/を表す文字として認識され、その後/tʃ/が/ts/に音韻変化をしたものと想定した。
その後、"q"という文字が廃れ(②"q"が廃れた理由については後述)、"k"に置き換えれらたとしている。
③"ŭ"については"u"の上に"v"が書かれた合字であると考える。
④H後置方式については下記のように考える。
i. "c"、"g"、"s"の文字に"h"を後置させた綴りはそれらの文字の口蓋化音を表しているものである。"h"を用いて口蓋化させる例は英語や他のロマンス語にも見られる表記法なので、問題ないものとする。
ii. "hh"の綴りで/x/のような音を表すことについては、/x/が/h/を強めた音であると考えられたものとする。
iii. "jh"の綴りで/ʒ/を表すことについては次項。
⑤X後置方式については下記のように考える。
i. /ʃ/を表す表記法としてドイツ語では"shc"という綴りがある。これを"s"に"ch"(/ç/)を後置させて口蓋音を表しているものと考えた。
架空世界のエスペラントの古い時代においては"x"が/ç/の音を表し、そこから同じような考え方でこのような綴りが生まれたとする。
ii. 上記の通り、"x"は/ç/と発音されたが音韻変化によって/x/に変化したものとする。(その後"x"単体での使用が廃れ、"hx"の綴りが現れた理由は後述)
iii. "JX"という綴りは古くは/j/が音韻変化して出来た/ʝ/を表し、その後音韻変化で/ʒ/となったものとする。もともとの綴りである"J"に/ç/を表す"x"を後置して/ç/の有声音である/ʝ/を表した。"jh"の綴りはこの"x"を"h"に置き換えたものである。
iiii. "ux"という綴りは"V"を2つ並べて/w/を表していた表記法が、2つ目の字が黙字であることを表すためにストロークが書かれ"vv̸"のようになった後、筆記体において"v̸"が"x"と誤認されそのまま広まったものであるとする。
⑥"x"は上記のような用途で使われたため、/ks/を表す用法は廃れた。(なぜ廃れたかは後述)
⑦サーカムフレックスの由来については3つの構想がある。
i. もともとは母音に付いていたアクセント記号。サーカムフレックスがついた母音の前の子音が音韻変化を起こしたため、子音の音変化を表すものとして認識され子音の上に書かれるようになった。
ii. /h/または/ç/を表す記号が変化したもの
iii. 特別な由来はなく、区別するために付けられた記号
正直どれが良いのかわからないので、今後の課題とする。
これらの表記法は、古い時代では個人や地域により様々に使われていたのが、その後整備され正式な表記としてはサーカムフレックス、その代用としてH後置、正式では無いがX後置も使われるに至ったと考える。
・ギリシアへの崇敬
エスペラントには対格の-n、複数の-jのようにギリシア語と似ている接尾辞が存在するが、語彙の面では他のロマンス語に比べて特別ギリシア語の影響が強いとは感じられなかった。
一方でエスペラント諸語の中には複数形が-sや-iになるような他のロマンス語に近い性質を持っているものもある。
ここから、古代においてこの地域ではギリシアへの強い崇敬の念があり、丁寧な表現をするときにギリシア風の活用を多用し、それが丁寧語であったエスペラントに受け継がれたと考える。
ギリシアとの直接的な接触は無いながらもローマ人が崇敬したギリシアの文化を主に宗教の面で特に意識し、初めはギリシア神話やそれにまつわる単語をギリシア風に活用するところから始まり、その後身分の高い者への表現や丁寧の表現として残ったと考えている。
イド語では対格が消失した後、エスペラントの影響で対格表現を再獲得したものと考えている。
また、綴りに関してもギリシア語からの影響で説明できると考えている。
まず、/ks/を表す"X"が存在しない点であるが、"X"は正確にはラテン文字の"X"ではなくギリシア文字"Χ"として使われたためであるとする。
正書法が正式に制定された際にX後置方式が代用表記として採用されなかったのも「ラテン文字的ではないから」という理由で説明できると考えている。
つまり、ギリシアへの崇敬から、本来のラテン文字の/ks/を"X"で表す用法を捨て、ギリシア文字に合わせたということである。
しかし、ギリシア語の"Χ"に由来する語の中には/x/に音変化しているものと"Kristo"のように/k/の音になっているものがある。
そこで、 /x/(古くは/ç/)の音であることを強調するために"h"が前置され、"hx"のような綴りが生まれたと考えている。
さらに、"q"が廃れ"k"が残ったのもギリシア語に倣ったものと考えられる。
また、「表記法」の項の「⑦サーカムフレックスの由来」で「ii. /h/または/ç/を表す記号が変化したもの」を採用する場合は、ギリシア語の有気記号が変化したものとすることができる。
しかし、表記法が安定していない古い時代には古典ラテン語や他のロマンス語のように記述する方法と混在して使用されていたと考える。
そのエスペラントでは廃れた表記法を保っているのがアルカイカムエスペラントムであるとする。北ロマンス語圏での共通語は宗教によって分離し、エスペラントとアルカイカムエスペラントムという二つの公用語が生まれたと考える。
(以下、アルカイカムエスペラントム地域を西方北ロマンス語圏、エスペラント地域を東方北ロマンス語圏とする)
西方北ロマンス語圏はカトリック系であり、エスペラントと違いアルカイカムエスペラントムが口語で使われることはほとんどなかった。そのため古い文法範疇を残しているが、口語の共通語はこの地域でもエスペラントが使われたため語彙が似通ってしまっていると考える。
また、アルカイカムエスペラントムでは/f/を"ph"、/v/を"w"としているが、これは上記のギリシア的表記法から下記のように推測する。
古代の表記法ではギリシア文字"ϝ"に倣って/w/を表すために"F"を使うことがあり、一部は後世にも受け継がれた。
その後、/w/を表す"f"と区別するために、/f/を表す文字としてギリシア文字"φ"が使われ、逆に/w/を表すためには"w"という表記法がなされるようになり、"f"は廃れた。その後、"φ"はラテン文字化され"ph"となった。(逆にエスペラントではこのような表記法は廃れた)
・語彙について
ゲルマン語由来の語彙はi-ウムラウトの後に借用されているように見えることから、ゲルマン系との接触時期i-ウムラウト現象の後だと考えている。
また、下記のような音韻変化が見られる。
①エスanimo イドanmoのようにイドでは/i/が消えている単語が存在する
②エスabomeni イドabominaroのようにイドでは/e/が/i/になっている単語が存在する
ただしまだ全体を見ることができていないので今後の課題としたい。
・代名詞
エスペラントの人称代名詞はmiやviのように主格としては珍しい形(他のヨーロッパ印欧語と比べると)をしている。
これについてはフランス語に見られるような強勢形に由来するものとして説明できるのではないかと考えている。
・今後の課題
①ここまで書いた想定が大丈夫か考える。
②上記のような語彙の対応の考察
③副詞語尾-aŭの由来(ラテン語ab?)
思いつく限りではこのくらい。
ちなみに、「北ロマンス語圏」という用語やエスペラントとアルカイカムエスペラントムを完全な同一系統としなかったことは ひと氏@ogogogouy のツイートを参考にした。
コンペ用言語2
格の表示は語順と格変化によって表される。
格変化は単語の子音の無気/有気、無声/有声を変えることによって明示する。
基本文型はSVOの順。Sのゾーン(動詞より前)は主語、動作の始点を表す。
Oのゾーン(動詞の後ろ)は目的語、動作の終点を表す。
発音
基本的にはIPAと同じ。
違うものを下に列挙する。
cは[ʃ]を表す。
ḷはlの無声音を表す。
ṃはmの無声音を表す。
ṇはnの無声音を表す。
ṛはrの無声音を表す。
母音を2つ重ねることで長音を表す。
子音の後ろにhを付けることで有気音を表す。
※母音のみの音節の変化について
母音のみの音節は無声無気音として扱う。
母音のみの音節を文法上有声化しなければいけない場合は母音を長音にする。
母音のみの音節を文法上有気化しなければいけない場合は母音の前にhを付ける。
母音のみの音節を有声有声音化しなければいけない場合は同じ母音でhを挟む。
例として「i」という母音のみの音節があった場合を考える。
i…無声無気音
ii…有声無気音
hi…無声有気音
ihi…有声有声音
文法
Hua ṇheṃhi sho.(hua私 ṇheṃhi撫でる sho草)
私は草を撫でる
hua=主語 ṇheṃhi=動詞 sho=目的語)
Ṃhamo phab daz.(ṃhamo赤ん坊 phab弱いもの dazコピュラ)
赤ん坊は弱いものである
弱いのは赤ん坊(=主語)なのでphabは動詞の前に置く
Hel jezami phubab kheg hel gi Thede(hel彼/彼女/それ jezami(cheshaṃhi名付けるの過去形) phupap子供 kheg関係代名詞 gi持っている/所有している(形容詞) Thede人名(「良い」と言う意味の形容詞dedeから))
彼は自分の子供にThedeと名付けた
Thedeは彼の子供(=目的語)なので動詞の後ろ
基本的に名詞は頭の子音が有気無声音、その後の子音は無気有声音となる。
方向格
頭を有気有声音、その後の子音を無気有声音とすると方向や前後関係を表す意味になる。
Hel ṛhahi dhudazo.(ṛhahi行く,進む dhudazo=thudazo(祭祀場)の方向格)
彼は祭祀場へ行く(彼は祭祀場を前にして進む)
動詞の後ろ(動作の終わり)+方向なので目的地や前方を表す。
逆に出発地や後方は動詞の前に方向格を置くことで表す。
上下格
頭を有気無声音、その後の子音も有気無声音にすることで上下関係を表す。
Chajamaadan khuṛhahu ṛhahi.(chajamaadan雨雲 khuṛhahu=khurauu(山)の上下格 )
雨雲は山の上で進む
上は始点のイメージなので動詞の前、下は終点のイメージなので動詞の後に上下格を置いて表す。
遠近格
頭を無気有声音、その後の子音を有気有声音にすることで遠近を表す。
Phabaoo eelh toto daz.(totoいつも(副詞) phabaoo犬 eelh=hel(彼/彼女/それ)の遠近格)
犬はいつも彼女のそばにいる。
近い=始点のイメージなので動詞の前、遠い=終点のイメージなので動詞の後ろで表す。
※副詞は修飾する動詞・形容詞の直前に置く
内外格
頭を無気有声音、その後の子音を有気無声音にすることで内外関係を表す。
Hel gohatha kheg hel gi duraii.(gohatha=khoaada(部屋)の内外格 duraii=thuṛhahi(寝る)の過去形容詞)
彼は自分の部屋の中で寝た。
中=始点のイメージなので動詞の前、外=終点のイメージなので動詞の後ろで表す。
動詞・形容詞について
動詞は動作を表し、形容詞は状態を表す。
動詞の子音は全て有気無声音、形容詞の子音は全て無気有声音である。
動詞の子音を無気有声音に変えることで過去・完了の意味を持つ形容詞となる(過去形容詞)
逆に形容詞を有気無声音に変えることで「〜になる」と言う意味の動詞になる。
形容詞も動詞も単体では修飾が出来ないので、関係詞を多用する。
疑問・命令
疑問は疑問詞であるphaを文の初めに付ける。
命令は命令詞のbaを文の初めに付ける。
道案内の会話
A:Pha ṛhim theṇhetha phom.(ṛhimあなた theṇhetha許す phom私 ※私を許さないか=「すみません」と言う呼びかけ)
すみません。
B:Thudu? (thudu何)
何でしょう?
A:Ba ṛhim khehaha chagja.(khehaha教える chagja道)
道を教えて下さい。
B:Phom rouuz.(rouuz快い ※私は快い=okの意味)
いいですよ。
A:Phom ihiluiigogara aauu thoaa ṛhahi.(ihiluiigogara=hiluiigogara(hiḷhuhi治す+khogara建物=病院)の方向格 aauu〜したい thoaa関係代名詞(先行詞をとらない))
病院に行きたいのですが。
B:Phom khuhatho.(khuhathoわかる,理解する)
わかりました。
Ba ṛhim sucu ṛhahi chagja kheg dam.(sucuまっすぐ damここにある(形容詞))
この道をまっすぐ進んで下さい。
Ṛhim mapa hacha phaiidazo.(mapaそうしたら phaiidazo(phahi遊ぶ+thazo場所=公園))
そうしたら公園が見えます。
Ba ṛhim eelh ṛhahi rhindo.(eelhそれ(hel)の遠近格 rhindo右(ṛhindo)の方向格)
そのそばを右に進んで下さい。
Ṛhim tonton ṛhahi, ṛhim mapa gogharha kheg didiro phitha.(tontonしばらく gogharha建物(khogara)の遠近格 didiro黄色い phitha着く)
しばらく進むと、黄色い建物の近くに着きます。
Hiluiigogara duchiha gekh hel daz daz.(duchiha敷地 gekh関係代名詞(khegの内外格))
病院はその建物がある敷地の中にあります。
A:Ṛhim rouuz.(あなたは快い=ありがとう)
ありがとうございます。
コンペ用言語
文字と発音
A a [a]
B b [b]
C c [g]
D d [d]
E e [e]
F f [f]
G g [dʒ]
H h [h]
I i [i]
J j [ʝ]
K k [k]
L l [l]
M m [m]
N n [n]
O o [o]
P p [p]
R r [r]
S s [s]
T t [t]
U u [u]
V v [v]
W w [β]
X x [x]
Y y [y]
Z z [z]
Ə ə [ə]
Ƿ ƿ [w]
Ȝ ȝ [j]
ph [ɸ]
ɸ [ɸ]
Ƕ ƕ [hw]
Ɯ ɯ [ʃ]
Cɥ cɥ [ʧ]
原文
Fulura:On pyrko morcuno.
Fulura:Ill ri an ƿovamenntamo.
Spamanno:Va ƿika tum ən mycɥə svəvə, ill ri re snȝu und rerau mycɥe ɯtrəgeite.
Fulura:Ƕe ƿovamennta rə va idac?
Spamanno:Fiv furɸi lika te sami eɸtir nuna amorgon sumə svəvə.
Fulura:Wi hortə von ƿovəmenntekorto.
Spamanno:Wən do ɯimereo loɸto re gəinu til von westo, ha mi wardie re ra snȝu tum ən svəvə vow westo mycɥe ɯtrəgeite.
Fulura:Fa wi hortə van ƿovamennta vow eɸtir nuna.
Spamanno:Tum ən svəvə vow westo, ill mi re snȝu geel von morcuno til von nyxo.
Spamanno:Dan phraisəwerka fiv mə kincie mycɥe.
Spamanno:Tum ən svəvə vow əlphicaɯt, ill mi nafe snȝe und ri soll eka kmarr.
Fulura:Hu rə ƿovamennta vow amorcon.
Spamanno:Ill mi re soll amorcon tum oela vaw fȝova.
Fulura:Ha rə vo histəco te ki hix vow idac.
Spamanno:Ill mi re 4crava tum Von Təfkowo, 6crava tum Von Kunneniso, -2crava tum Von Tansara, 0crava tum Von Ətuisamanno.
Fulura:Ha rə vo histəco te ki panke vow idac.
Spamanno:Ill mi re -12crava tum Von Təfkowo, 0crava tum Von Kunneniso, -15crava tum Von Tansara,-7crava tum Von Ətuisamanno.
Fulura:Ill ri re ƿovamenntamo.
Fulura:Vo ƿovamenntamo mə nafa wardia utƿarpe tum vis timi ƕerstac von monf.
Fulura:Fiv mə horte van TVətluna.
※fulura・・・アナウンサー
spamanno・・・予報士
活用表
不定冠詞
男性(単数) | 女性(単数) | 中性(複数) | 通性(複数) | |
---|---|---|---|---|
主格 | o | a | ə | as |
対格 | on | an | ən | asn |
与格 | omə | amə | əmə | asmə |
属格 | ow | aw | əw | asw |
定冠詞
男性(単数) | 女性(単数) | 中性(複数) | 通性(複数) | |
---|---|---|---|---|
主格 | vo | va | ve | vas |
対格 | von | van | ven | vasn |
与格 | vomə | vamə | vemə | vasmə |
属格 | vosa | vasa | vesa | vassa |
部分冠詞
男性(単数) | 女性(単数) | 中性(複数) | 通性(複数) | |
---|---|---|---|---|
主格 | do | da | de | das |
対格 | don | dan | den | dasn |
与格 | dom | dam | dem | dasm |
属格 | dow | daw | dew | dasw |
動詞・助動詞
原形 | -i |
---|---|
三人称現在形 | -ə |
未来分詞 | -a |
現在分詞 | -u |
過去分詞 | -e |
名詞
男性(単数) | 女性(単数) | 中性(複数) | 通性(複数) |
---|---|---|---|
-o | -a | -ə | -as |
代名詞
零人称 | 一人称(単数) | 二人称(単数) | 三人称(男性 単数) | 三人称(女性 単数) | 一人称(複数) | 二人称(複数) | 三人称(中性 複数) | 三人称(通性 複数) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
主格 | ill | jo | fu | ha | hu | wi | fiv | fa | fei |
対格 | illin | men | fun | han | hun | okun | ykun | fan | fein |
与格 | illim | mem | fum | ham | hum | okum | ykum | fam | fem |
属格 | illir | mer | fur | har | hur | okur | ykur | far | fer |
形容詞・分詞
叙述 | - |
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男性 | -o |
女性 | -a |
中性 | -ə |
通性 | -as |
解説
概要
基本はSVO語順で語彙はアイスランド語・日本語・アイヌ語からとっています。(ほぼアイスランド語)
文字はラテンアルファベットを使います。
名詞は性を持ち、単数複数で変化します。格は名詞ではなく冠詞によって明示します。
動詞は時制を持たず、分詞+助動詞で時制を表します。また、主語が三人称の時だけ人称変化をします。
On pyrko morcuno.
(on=不定冠詞(男性,対格),pyrko=良い(形容詞男性形),əwəna=朝(男性名詞) 意味:おはようございます)
性について
単数では男性/女性に別れ、複数では中性/通性に分かれます。
Ill ri an ƿovamenntamo.
(ill=零人称(形式主語)代名詞 主格,ri=コピュラ動詞riの原形,ƿovamenntamo=天気予報(男性名詞) 意味:天気予報です)
illについて
illは形式主語を表す時にだけ使われる代名詞です。
この時の動詞は原形を取ります。
Va ƿika tum ən mycɥə svəvə, ill ri re snȝu und rerau mycɥe ɯtrəgeite.
(va=定冠詞(女性,主格),ƿika=週(女性名詞),tum=前置詞(〜の中で,〜で),ən=不定冠詞(中性,対格),mycɥə=形容詞mycɥ(たくさんの)の中性形,svəvə=地域(中性名詞),snȝu=snȝi(雪が降る)の現在分詞,und=等位接続詞(〜と〜,〜そして〜),rareu=rerai(風が吹く)の現在分詞,mycɥe形容詞mycɥ(たくさんの)の副詞形,ɯtrəgeite=ɯtrəgeit(強い)の副詞形 意味:今週は各地でとても強い吹雪に見舞われていました)
ri re reenu und pheutuについて
コピュラ動詞ri+分詞で相を表します。
ri+過去分詞で完了
ri+現在分詞で進行
ri+未来分詞で将然
つまりri re(riの過去分詞)+過去分詞なので
〜しつづけていた という意味になる
冠詞の属格について
冠詞の属格は後ろから前の名詞を修飾し、「〜の」の意味を表します。
Ƕe ƿovamennta rə va eɸtir nuna?
(ƕe=どう、どのような,rə=riの三人称現在形,va=定冠詞(女性,主格),eɸtir=〜の後,nuna=今(副詞) 意味:これから(今より後)の天気はどうでしょうか?)
疑問文について
英語では主語の前に助動詞、フランス語は動詞の後ろに代名詞を置くことで疑問を表しますが、この言語では動詞の後ろに主格の冠詞を移動させて疑問を表します。
主語が代名詞の時は定冠詞を動詞の後ろに置きます。
Fiv furɸi lika te sami eɸtir nuna amorgon sumə svəvə.
(fiv=二人称複数代名詞,furɸi=必要がある(原形),lika=〜も(副詞),te sami=sami(注意する 気をつける)の不定詞,sumə=いくつかの(代名詞,中性) 意味:いくつかの地域ではこれから(今より後)も注意が必要です)
te+動詞の原形について
te+動詞の原形は英語のto+動詞の原形と同じように不定詞となります。
(名詞節、形容詞節、副詞節になる)
英語と違ってteの後には助動詞も置くことができます。
なのでfurɸi te sami で「注意することを必要とする」の意味になります。
Wi hortə von ƿovəmenntekorto.
(wi=一人称複数代名詞 主格,hortə=horti(見る)の三人称現在形,von=定冠詞(男性
,対格),ƿovəmenntekorto=天気図(男性名詞) 意味:天気図を見ていきましょう)
wi hortəについて
主語が三人称以外の時に動詞を三人称現在形にすると命令の意味になります。
例:Ill snȝə! (雪よ降れ!)
今回は主語がwi(私たち)なので、〜しましょう(勧誘)のような意味になります。
Wən do ɯimereo loɸto re gəinu til von westo,
(wən=接続詞(〜なので,〜時に,〜ならば),do=部分冠詞(男性,主格),ɯimereo=ɯimeri(湿る)の過去分詞ɯimereの男性形,loɸto=空気(男性名詞),gəinu=gəini(行く)の現在分詞,til=前置詞(〜へ,〜まで),westo=南(男性名詞) 意味:湿った空気が西へ向かっているので、)
分詞構文について
この文章ではコピュラのreが過去分詞なので、動詞が存在しません。
過去分詞reを使った分詞構文となっています。
wənについて
wənは後ろの文によって意味が変わります。
後ろが普通の文→仮定法
後ろが過去分詞の分詞構文→〜なので
後ろが現在分詞の分詞構文→〜ときに
後ろが未来分詞の分詞構文→〜ならば
ɯimereoについて
分詞は名詞を修飾するときは、名詞の性・数によって語尾が変化します。
過去分詞ɯimereはɯimereo(男性形)となり後ろのloɸto(空気)を修飾します。
ha mi wardie re ra snȝu tum ən svəvə vow westo mycɥe ɯtrəgeite.
(ha=三人称単数男性代名詞,wardie=助動詞wardiəの過去分詞,mi re=mi+過去分詞で不確定な未来を表す,ri rasnȝu=ri+未来分詞(将然)とre+現在分詞(進行)で未来まで続いていくことを表す 意味:それ(湿った空気)は西の地域にとても強い雪を降らせ続けるでしょう)
mi+過去分詞について
過去分詞には消極的なイメージがあり、未来の助動詞miと組み合わせて推量「〜だろう」を表す
一方mi+未来分詞では比較的確定度の高い未来を表します
助動詞wardiiについて
助動詞wardiiは後ろに分詞を伴って態を表します。
wardii+過去分詞・・・受動態(対格を主格に)
wardii+未来分詞・・・使役態(主格を対格に)
Fa wi hortə van ƿovamennta vow idac.
(意味:それでは、今日の天気を見ていきましょう)
Tum ən svəvə vow westo, ill mi re snȝu geel von morcuno til von nyxo.
(西の地域では朝から晩まで雪が降り続けるでしょう)
Dan phraisəwerka fiv mə kincie mycɥe.
(dan=対格(強調のために語頭に移動),phraisəwerka=吹雪(女性名詞),fiv=二人称単数主格,mə=miの三人称現在形,kincie=kincii(警戒する)の過去分詞 意味:吹雪には十分に警戒して下さい)
語順について
格が冠詞によって明示されているので、語順はある程度自由です。強調したい時などは倒置がよく行われます。
miを使った命令
今回の文はfiv(二人称) mə(三人称現在形) kincie(過去分詞)で、fiv məで命令を表しmə kincieで推量を表しています。
この言い回しは丁寧な命令(〜して下さい)を表します。
Tum ən svəvə vow əlphicaɯt, ill mi nafe snȝe und ri soll eka kmarr.
(əlpihcaɯt=東(副詞),nafe=助動詞nafi(〜ない)の過去分詞,soll=形容詞叙述形(晴れ),eka=等位接続詞(〜または〜),kmarr形容詞叙述形(曇り) 意味:東の地域では、雪は降らず晴れか曇りになるでしょう)
否定形について
助動詞nafi+過去分詞または未来分詞で否定を表す。
nafə+過去分詞は過去分詞が消極的なイメージを持つため、強い否定(動詞の否定)になります
例:Ha nafə wetke ƕerstac.(ha=彼,wetkə=働く,ƕerstac=毎日)
意味:彼は毎日働かない(いつも働いていない)
nafə+未来分詞は可能性のイメージを併せ持つため、「〜というわけではない」という意味(文の否定)になります。
例:Ha nafə wetke ƕerstac.(ha=彼,wetkə=働く,ƕerstac=毎日)
意味:彼は毎日働くわけではない(いつも働いていないのかどうかはわからない)
Hu rə ƿovamennta vow amorcon.
(hu=三人称単数女性代名詞,amorcon=明日(副詞) 意味:明日の天気です)
Ill mi re soll amorgon tum oela vaw fȝova.
(oela=全て(代名詞女性形),fȝova=国(女性) 意味:明日は全国的に晴れるでしょう)
Ha rə vo histəco te ki hix vow idac.
(ha=三人称単数男性代名詞,histaco=温度(男性名詞),te ki=te+不定詞(形容詞的用法)で後ろから前のhistacoを修飾,hix=hix(高い)の叙述形 意味:今日の最高気温です)
ki+形容詞について
この言語では助動詞の後ろに動詞なしで形容詞(叙述形)を接続できます。
ただし、kiとmiは次のように意味が変わります。
ki+形容詞・・・最も〜の意味になる(過去=確定的なイメージのため)
mi+形容詞・・・より〜の意味になる(未来=前進的なイメージのため)
そのためki hixは「もっとも高い」の意味になります。
Ill mi re 4crava tum Von Təfkowo, 6crava tum Von Kunneniso, -2crava tum Van Tansara, 0crava tum Von Ətuisamanno.
(crava=助数詞(度),Təfkowo=地名"タフコヴォ",Kunneniso=地名"クンネニーソ,Tansara=地名"タンサーラ",Ətuisamanno=地名"アトゥサマンノ" 意味:タフコヴォで4度、クンネニーソで6度、タンサーラで−2度、アトゥサマンノで0度になるでしょう)
固有名詞について
固有名詞は文の中で用いられる時は定冠詞が付きます。
(呼びかけに使う人名などはそのままです)
数字について
数字は以下の通りです。
0 zero
1 en
2 tup
3 fri
4 phori
5 phim
6 seks
7 ɯyt
8 əcɥ
9 ny
10 ty
後は日本語のように数字×10+数字の形で表します
例:13=ty fri 34=fri ty phori
しかし、以下の数字は特殊な変化をします。
11 elleɸu
12 tƿanpe
20 tutup
また、マイナスはminuseを前につけます
-2crava=minuse tup crava
Ha rə vo histəco te ki panke vow idac.
(panke=panke(低い)の叙述形 意味:今日の最低気温です)
Ill mi re -12crava tum Von Təfkowo, 0crava tum Von Kunneniso, -15crava tum Van Tansara, -7crava tum Von Ətuisamanno.
( 意味:タフコヴォで-12度、クンネニーソで0度、タンサーラで−15度、アトゥサマンノで-7度になるでしょう)
Ill ri re ƿovamenntamo.
(意味:天気予報でした)
Vo ƿovamenntamo mə nafa wardia utƿarpe tum vis timi ƕerstac von monf.
(vis=これ(代名詞) 意味:今月は天気予報が毎日この時間にやるというわけではありません=今月は日によって天気予報の時間が違います)
Fiv mə horte van TVətluna.
(TVətluna=番組表 意味:番組表をご覧ください)
エスペラントの自然言語化
まずここで行うのはエスペラントから自然言語のような言語を新しく作るのではなく、
あくまでエスペラントの規則の中でエスペラントを自然言語らしく使える方法を考えてエスペラントが自然言語だったらどんな言語なのかを探る事が目的である。
なのでエスペラントの人工言語くささをあぶり出し、取っ払って人工言語感を無くしたい。
1.女を表す名詞は全て-inoで派生、意味が逆の形容詞は全てmal-で派生させるなど単語の構造が画一的過ぎる
2.基本語彙が少ない(多ければ良いというわけでもないが少ない)
3.スラブ語のような音声の影響を受けながら(口蓋化はないけど)スラブ語由来の単語が少ない
4.複数形が-ojだったり文法はギリシャ語っぽさがあるのに語彙の面では特段影響を受けている印象がない
5.ロマンス語っぽいのに[k]の音をKの文字で表している(他のロマンス語は普通Cで表す)
6.動詞や形容詞、副詞ならわかるが名詞まで終わりが必ず-oで終わるところ
7.語彙が屈折語のラテン語とゲルマン語中心なのに文法が膠着語的なところ
解決策
1〜4は語彙の問題。これはもうどうしようもないので他から借用するしか解決方法がない。
エスペラントでは「多くの言語に取り入れられた単語は借用してもいい」という規則がある。
これを拡大解釈する。多少強引だが多くの言語に採用された単語を選別して作られた人工言語の単語をそのまま取り入れることにする。
例えばロマンス語系はインターリングアという国際補助語で国際的な単語が厳選されているのでそこから借用する。
同様にゲルマン語は汎ゲルマン語という言語を参照、スラブ語系はインタースラーヴィクという人工言語を参照する。
そこで有名な単語かどうかを判断して取り入れる必要がある。
5.のロマンス語っぽいのに[k]の音をKの文字で表している点は大昔のラテン語の綴り(a,oの前ではkを使い、uの前でq、i,eの前でcを使う綴り方)が受け継がれているということにする。
uの前のqは簡略化される際にkに纏められ、cはi,eの前で[ts]の音に変化したため[ts]の音を表すようになった…とする。
6.動詞や形容詞、副詞ならわかるが名詞まで終わりが必ず-oで終わる点は、「-oが主格の格表示である」とする。
日本語の助詞「が」のように主格を表し、主格を表さない前置詞の後ろなどでは「-’」を使う。
7.の膠着語的である点については「エスペラントの基層言語の1つが膠着語だった」とする。
普通屈折語が時代を経ると簡略化されて孤立語のようになる。膠着語になる為にはその前で膠着語に近づいていなければならないのではないだろうか。
つまりもともと"その土地"には膠着語を話す民族がいて、ラテン語圏になった後もその言語からの影響で膠着語の性質が残った。そこから色々な言語との接触する中でさらに簡略化され膠着性が強まったと考える。
ギリシャ、ゲルマン、ラテン、スラブと接触の可能性がある民族はウラル系(それも古くからこの地にいたフィン・ウゴル系)だと思われる。
そこでフィン・ウゴル祖語から日常語(基層言語であるため)を取り入れる。
・取り入れ方
1.派生元がゲルマン語であれば汎ゲルマン語、ラテン語・ロマンス語であればインターリングアというように派生元の語派に合わせる。
2.日常語はインタースラーヴィクや汎ゲルマン語、高級語はインターリングアというように分ける。
3.上記に従ってスラブ語由来の単語を増やす。
つまり派生元がロマンス語である単語の日常語はインタースラーヴィクから借用する。
4.高級語はギリシャ語由来で他の言語に多く借用されている単語があればそれに置き換える。なければラテン語由来の単語を使う。
5.日常語はフィン・ウゴル祖語の内漁業、牧畜、天候、人体部位、親族名称を中心に採用する。